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お客様インタビュー

株式会社太陽社様

PODの売上を上げるには「視点の変換が必要だ」と考えたという小川さん。

今回のご紹介は太陽社様をご紹介します。
株式会社太陽社様(http://www.taiyo-sha.net/)は青写真焼付を主業務とする企業としてスタート。その後プリント部で軽印刷を開始し、トレース、印刷、製本と業務を拡大。2000年にはPOD(Print On Demand)ビジネスにも進出、現在に至ります。得意先は県や市など各諸官庁から大手民間企業まで幅広く、マニュアルなどの冊子からDMや名刺までさまざまな印刷物を手がけて、電線配置地図入力/製作では九州地区において有力な企業として知られている、火の国熊本に根付いた総合印刷企業です。

 

今回はプロジェクトメンバーの中心となって、新しいクライアントに積極的に提案をしている小川さんと、弊社の河島との対談形式でお送りします。

 

インタビュアー(以下Q):バリューマシーンインターナショナルにコンサルティングを依頼することになったきっかけについて教えて下さい。

 

小川さん(以下O):とあるメーカーからのご紹介を受けたのがきっかけです。元々オンデマンドプリンターは所有していて、かなりガタが来てしまったので買い替えを検討していました。今回の検討材料はスペックは“当たり前”という前提で、もっと上流の流れや、教育活動を積極的に取り組んでくれている会社(メーカー)を検討しました。そこで、バリューマシーンインターナショナル(以下VMI)を紹介してくれたメーカーさんがいたんです。
ちょうど太陽社企画室発足をきっかけに引っ張っていこうと考えていたので、VMIを紹介してくれたのはタイミングが良かったんです。

 

Q:河島と合ったのはそれが最初ですか?

 

O:実はその前に河島さんのセミナーに参加したことがありました。その時は、単純に「すごいな」と思いました。河島さんに出会うまでに考えていた自分の企画が、「ちょっと違うかも・・」「まだお客様の目線に立てていないかも・・」と気付かせくれたセミナーでした。

 

河島(以下K):確か、セミナーが終わったらすぐに質問に来てくれたんですよね。セミナーの内容についての質問や、今現在困っていることについて質問してくれたということはあったんですが、小川さんは私の考え方とかやり方を確かめるような質問をしてくれたんです。ニュアンスは遠回しでしたが、確かめてるな・・ということはすぐ分かりました。

 

O:テクニックよりも河島さんの視点を知りたかったんですよ。東京で数年働いてから、熊本に帰ったんですが、熊本で仕事をすることを楽しみにしていたんです。自分が東京で学んできたことがどう生かせるか楽しみだな、と思っていて。
ところが、いざ入社したらオンデマンド印刷の利用方法はオフセットの補完にすぎなかった。自分としては寂しかったんです。社員に教えたいことは山ほどありましたが、教えられることが単なる知識の部分でしかなかった。事例もバリアブル、W2Pなど技術的なことばかりで、今のレベルからかけ離れていた事例を話していました。その時にちょうど河島さんと会いました。

 

K:初めて貴社におうかがいした時に感じましたが、社内では「小川さんだからここまで出来るんだろう・・」という目で見ている社員の方々がいましたよね。

 

O:東京の時に経験したことは、システムごと入れ替える事例などを話していたので、スケールが大きいせいか、なかなかついて来れない社員の方が多かったんです。

 

Q:そうなると社員の方々も最初はいわゆる“コンサルタント”に対する抵抗があったのではないですか?

 

O:実は、以前お付き合いのあったのメーカーさんが提供してくれた教育は、難しい知識を植え付けるようなコンサルティングの方法だったので、社員は抵抗があったと思います。

 

K:初回は15名~20名の方々に向けて実施したのですが、社員の皆さんも慣れていないせいか最初の休憩までは構えてましたね。休憩を挟み、僕の“やり方”に慣れてきたのか、目が変わってました。真剣に考えて、真剣に取り組み始めていました。

 

Q:何か変わった点はありましたか?

 

O:コンサルティングが入ってからは意識が変わって、何をやるにしても「ログ」を取るようになりました。例えば、飛び込んで断られたら終わりだった人たちが、いつ誰と何を話したか、という事実や、課題をデータとして取るようになったんです。

 

K:グループワークをやっていた時、あるアイデアにフィードバックする際、とにかく「あたってくだけろ!」というような根性論を書いた人がいらっしゃいました。その後、ちゃんと考え始めてどこに向けて、と考えるようになりました。地元の病院をターゲットに新規営業を仕掛ける際に、医療ガイドラインや薬事法について何も知らなかった方が、訪問の際の課題や反省点までしっかりデータを取るなど、明らかに変わっていきました。
これまではPOD担当営業は金額、納期のみを聞いてきていたそうですが、「お客様がこういうことで困っているんだけど、なんかアイデアありませんか?」というようなところに視点が変わってきました。
小川さんと共にプロジェクトを立ち上げるメンバーには、小川さんとはバックグラウンドが全く違う方も多かった様ですが、徐々に小川さんの考えていることも理解できるようになり、事例を見る視点も変わってきてましたよね。メンバーのおひとりから「はじめて仕事が楽しく思えるようになった。」というフィードバックを頂いた時は本当に嬉しかった。

 

O:そうですね、ちょうど1年前ぐらいですね。

 

Q:コンサルティング実施以前の課題は何でしたか?

 

O:クライアントは官公庁の比重が大きかったので、入札が多く、“提案型営業”という面では、成長しづらかったところがあります。
官公庁はオフセット印刷がほとんどなんですが、会社からはPODの売上をあげなさい、というミッションが出ていました。
PODの方が粗利が高いことが分かっているからだと思うのですが、今までが“印刷の補完”のように扱ってきたのに、いきなり売り上げを上げるのは難しいのでは?と思っていました。
売上を上げるためには視点の変換が必要となってくるんだな、と。

「印刷ありませんか?チラシあります?」、という営業が主体でしたので、お客様の問題を解決するためにPODを使うという視点が不足していましたね。

 

Q:河島の講義の中で印象に残っている言葉があったら教えて下さい。

 

O:101%、という言葉が印象に残っています。100%は出来て当たり前、お客様の期待を1%でも上回ることで、始めて支持されるんだ、という意味です。

 

K:小川さんは「なんとか、メンバーの舞台を作ってあげたい」という気持ちが強くあり、みるみる変わっていくのがわかりました。今まで「自分が凄いだろう」、という雰囲気がすごく出ていたのですが(笑)。実は、小川さんご自身が一番変わったかもしれませんね。「太陽社をなんとかしたい」という考え方になってきましたよね。

 

O:現状分析して社員に対して「これは少し難しいな」と思ったこともあり、簡単なことだけ指示して、あとは自分でやっていました。それがダメだということに気づいたのは河島さんと会ってからですね。今でもまだまだですが、本当の意味でお客様視点というのがだんだんわかってきたように思います。
それをわかって初めて、「自分一人では何もできない」ということも分かりました。
今のPROJECTメンバーは悩みながらもついてきてくれています。

 

K:ミーティングの後、食事をしている時も、常に、メンバーのポテンシャルを引き出そうとしていて、「もったいないんですよ。なんとかしたいんですよ。」と相談してくれてるんで、いつも社員や会社のことを考えていることに感心しますね。

 

O:現状では、なかなか力を発揮できていないのではと思う社員が多いんです。まだ「1枚単価」を基準に営業をするのを目にします。それは本当にもったいない。

これからは人を育ててナンボだと思ってます。教育は絶対必要。教育の方に予算を使いたいと考えているのですが、そこから理解してもらうように私が提案していかねばなりませんね。

 

K:小川さんが結果を出しているので、「おもしろそう、自分もやってみたい!」「こうしたら上手くできるかも」と希望を持ち始めている社員が増えてきたようですね。

 

O:あるメンバーから「自分も小川さんのようになりたい、僕にも手伝わせて下さい」と言われた時は、本当に嬉しかったです。彼はクライアントに提案してこんなことを言っていただいたそうです。
「圧倒的に他社と違う。普通はこっちが言った通りにしかデザインしてこない、ペットボトルのPOPを作る過程で、熊本の市場だったらこれだ!という考え抜いたデザインを作ってくれた」、と。
あのデザインには思いとロジックが詰まっているんです。
卸ばっかりやっている印刷会社のイメージでしたが、ここで初めて商品開発もして、企画も出来る、というイメージをつけることができました。
今でもメンバーには、「テクニックはどうでもいいけど、とにかくお客様のことを調べよう。顧客視点をしっかり持って調べよう」と言っています。

 

K:お客様の事を調べるということはお客様と同じ視点になる準備をする、ということなんですよね。

 

O:顧客視点になれれば、それがダメでも次につながると思っています。

 

K:僕からの質問ですが、小川さんは3年後、どういうチームになっていたいですか。数字的なところやご自身のモチベーション面も含めてお願いします。

 

O:太陽社全体、少なくともプロジェクトチームはプリントオンデマンドではなくて、「オンデマンドビジネス」が出来るようになりたいですね。お客様の問題を解決したいと思ったらプリントにはこだわらなくても良いと思っています。プロジェクトチームだけどソリューションプロバイダになりたい。“プリント”売りではなく、“サービス”にしたいのです。
経営の視点から言うと、3種類あると思っています。1つは金額で仕事を取る金額ソリューション、2つ目はDMやチラシの業務ソリューション、3つ目はインプラントなどの経営ソリューションだと思っています。今は恐らくほとんどが金額ソリューション。1割が業務ソリューションといったところですが。3年後は金額6割、業務3割、経営1割にしていきたいと思っています。

 

「どういうチームになっていたいか?」という質問については、単純な言葉かもしれませんが「こういう企画がやりたいです!」と若いメンバーに言ってほしいですね。最初のきっかけは僕が作っているかもしれませんが、3年後はメンバーひとりひとりが「こんな企画やってみたいんです。」というところまで持って行きたいんです。3年後そこまでになってればとりあえず安心かな、と思っています。

 

Q:PODを導入されたことによって前年に比べて、変化はありましたか?

 

O:PODの仕事は前年対比でモノクロが400%以上、カラーも180%くらいになりました。

 

K:PODのビジネスの割合はどの位になりましたか?

 

O:2年前は9:1でほとんどありませんでしたが今は7:3になりました。純粋に営業がPODを取ってくる比率が多くなった。金額の提示だけでビジネスをすることは2年前はあまりやりたくない、と思っていましたが今は変わりました。それがあるからこそ企画が出来、企画で補い増やしていければ良いと考えています。

 

K:複写業は昔からサービス自体がオンデマンドでしたからね。小川さんが目指すオンデマンドサービスはこれにお客様の期待を上回るサービスをアドオンするということですね。

 

Q:これから新たにチャレンジしようとしている方へのアドバイスをお願いします。

 

O:いい意味で、嘘をつくことが大事だと思っています。その嘘に共感してくれる人は必ずいて、チャンスをくれる人が必ずいます。チャンスをくれる人に対して必死になってその嘘を本当にしていくんです。

 

K:それは嘘じゃないですよ。ストレッチ目標(背伸びして届く目標)です。そこを見ているからこそ、そこに届くんです。目指すべきところがあると人は加速します。

 

O:そうですね。それから、目標を小刻みにしています。2年後、3年後ではなくて1か月後とか。

 

Q:今後、新たに取り組もうとしていることについて教えて下さい。

O:DMというアイテムに特化したWEBサイトの制作を進行中ですが、こちらはプロジェクトのメンバーに対するトレーニングにもなればと考えています。今まではWEBサイトを作ると言っても、お客様に言われたものを言われたままで作っていましたが、今回はDMについて問題を抱えているお客様がいて、どういうキーワードで検索してサイトに来てくれて、どうやって安心して依頼してくれるか、という視点で考えてもらい、お客様目線というのを少しでも分かってもらいたいと思っています。まだまだピンと来ていない部分もあるようですが、少しづつ進んでいます。

 

Q:最後に今後VMI.に期待することをお願いいたします。

 

O:期待すること、というよりは「ここまでしてくれてるんだから期待に応えなくちゃ!」と思っています。

 

Q:ありがとうございました。